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設計図書とは?設計図・仕様書の種類、見方、保存期間を解説する

設計図書は建築や工事における重要な資料であり、設計図や仕様書が含まれています。

 

本記事では設計図書とは?といったところから、設計図と竣工図、施工図との違い、設計図と仕様書の種類、設計図書の読み方、保存期間について網羅的に解説します。

 

この記事を読むことで、設計図書に関する知識を深め、実際のプロジェクトでの活用方法や重要性を理解できるようになります。

 

 

設計図書とは?

設計図書とは、結論「工事の着工に必要な設計図や仕様書のこと」です。

 

では設計図と仕様書はどの様なものでしょうか?設計図は「建物全体のイメージをざっくり表現したもの」であり、仕様書は「設計図に記載しきれない細かい仕様を記す書類のこと」です。

 

建物ができるまでの流れを理解しましょう。

 

  • 設計者が建物全体のざっくりとしたイメージを作り
  • 施工管理が中間を取り持ち、具体的な細かい施工方法を決め
  • 現場で職人さんが作業をして建物を作る

 

設計図書で決まったことが、そのまま現場で施工される訳ではありません。設計段階では、まだざっくりとしたイメージまでしか決まっていません。細かい部分に関しては工事が着工してから決まっていきます。

 

施主(お客様)が建物を欲しいと思ったとき、まず知りたいのは金額です。

 

設計段階で完璧にいくらかかるか?というのは計算しきれませんが、概算でもいくらかかるか?が分からなければ話は進みませんよね。そこで設計図書を作成することで、下記の様な項目に対する意思決定を進めることができます。

 

  • 建物が完成するのにいくらかかるか?
  • 建物が完成するのにどれくらいかかるか?
  • 法律上問題ないか?
  • どの業者に発注するべきか

 

 

設計図と竣工図の違い

設計図と竣工図は、それぞれ異なるタイミングで作成される図面です。

 

  • 設計図:プロジェクトの計画段階で作成される図面。設計の意図や目的を示し、施工前に確認・共有される。
  • 竣工図:実際の施工が完了した後に作成される図面。施工結果を正確に反映し、将来的なメンテナンスや改修時の参考資料となる。

 

さらに、竣工図には実際の施工過程での変更点や修正点が明記されているため、実際の建物の状態を正確に把握することができます。

 

 

設計図と施工図の違い

設計図と施工図の違いについても注意が必要です。

 

  • 設計図: 基本設計や詳細設計の段階で作成され、全体の構成や重要な部分の仕様を示します。建築主や関係者との合意に基づき作成されることが多い。
  • 施工図: 実際の施工現場で用いられる図面。建築現場で用いる具体的な施工方法や材料の詳細な情報を含み、現場作業員が正確に施工を行うためのガイドとなります。

 

施工図は、現場の状況や具体的な施工条件に応じて、設計図を元にさらに詳細に作成されることが多いです。

 

仕様書とは?をもう少し詳細に

仕様書は、設計図では表現しきれない詳細な条件や仕様を記述した文書です。

 

具体的には、使用する材料の種類や規格、施工方法、品質管理の基準などが記載されます。仕様書は、設計図とともに設計図書を構成し、プロジェクトの成功に不可欠な要素となります。特に建築や機械設計においては、材料の種類や品質管理基準など、細部に渡るまで詳細に記載されます。

 

例えば、建築プロジェクトの場合、以下のような項目が仕様書に含まれることが多いです。

 

  • 基礎工事の方法と使用するコンクリートの種類
  • 鉄筋や鉄骨の規格および配置方法
  • 仕上げ工事の材料選定と施工基準
  • 電気設備や配管設備の設置基準

 

仕様書は、設計図面や現場の施工図と密接に関連しており、これら全てを総合して初めて正確なプロジェクトの遂行が可能となります。

 

 

設計図の種類

 

基本設計図

基本設計図は、プロジェクトの全体像を示すための図面です。

 

建物や構造物の外観や基本的な配置、主要な部屋のレイアウトなどが含まれます。基本設計図によって、クライアントや関係者はプロジェクトの基本的な要素を理解することができます。また、この段階では機能や安全性に関する重要な要素も検討されます。

 

実施設計図

実施設計図は、基本設計を基にさらに詳細に設計された図面です。

 

施工に必要な詳細な情報が詰まっており、施工業者が正確に建設を行うために用いられます。これには、部材の材質や寸法、施工の順序など、建設工程のすべての段階で必要とされる情報が含まれます。

 

実施設計図の例

  • 建物の断面図と平面図
  • 仕上げ材の選定と配置
  • 施工順序表

 

構造設計図

構造設計図は、建物や構造物の骨組みの設計を示す図面です。

 

具体的には、柱、梁、基礎などの構造要素が描かれ、建物の強度や安全性を確保するための情報が提供されます。また、地震や台風などの自然災害に対する耐性計算も行われます。

 

設備設計図

設備設計図は、建物内の各種設備の配置や接続方法を示す図面です。電気設備、給排水設備、空調設備などが含まれ、建物の快適性や機能性を確保するために重要な役割を果たします。

 

設備設計図の具体例

  • 給排水設備図
  • 空調システム図
  • 防災設備図

 

電気設計図

電気設計図は、建物の電気設備に関する設計を示す図面です。照明、コンセント、配線経路などが描かれており、電気工事の施工に必要な情報が含まれています。

 

電気設計図の主要項目

  • 照明配置図
  • コンセント配置図
  • 配電盤図

 

配管設計図

配管設計図は、給水、排水、ガスなどの配管設備の設計を示す図面です。配管の経路や接続方法が詳細に描かれており、配管工事の施工に必要な情報を提供します。

 

配管設計図の役割

効率的で安全な配管ルートを確保し、水漏れやガス漏れのリスクを回避するために必要です。

 

内装設計図

内装設計図は、建物内部の仕上げや装飾に関する設計を示す図面です。壁紙、床材、照明、家具の配置などが含まれ、建物の美観や機能を高めるための情報が詰まっています。

 

内装設計図に含まれる内容

  • 壁材の種類と配置
  • 床材の種類と配置
  • 照明計画

 

外装設計図

外装設計図は、建物の外観や外部の仕上げに関する設計を示す図面です。外壁材、屋根材、窓、ドアの配置などが描かれており、建物のデザインや耐久性を確保するための情報が含まれます。

 

外装設計図の項目

  • 外壁材の選定と配置
  • 屋根材の選定
  • 窓やドアの配置

 

ランドスケープ設計図

ランドスケープ設計図は、建物の周囲の環境や庭園の設計を示す図面です。植栽、歩道、駐車場、照明などが含まれ、建物とその周囲の調和を図るための情報が提供されます。

 

ランドスケープ設計図の例

  • 植栽配置図
  • 歩道設計図
  • 駐車場レイアウト

 

3D設計図

3D設計図は、建物や構造物を立体的に表現した図面です。3Dモデルを用いることで、視覚的に分かりやすく、設計の確認や修正が容易になります。また、クライアントとのコミュニケーションを円滑に行うためにも有効です。

 

3D設計図のメリット

  • 視覚的な理解が容易
  • 設計の確認と修正が迅速
  • クライアントとのコミュニケーションが円滑

 

その他の設計図

その他にも、特殊な用途に応じた設計図が存在します。例えば、防火設備の設計図や太陽光発電設備の設計図など、プロジェクトの特性に応じた図面が作成されます。

 

特殊設計図の例

  • 防火設備設計図
  • 太陽光発電設備設計図
  • 防音設備設計図

 

設計図の種類 内容
基本設計図 プロジェクトの全体像を示す図面
実施設計図 詳細な設計情報を含む図面
構造設計図 建物の骨組みの設計を示す図面
設備設計図 建物内の各種設備の配置や接続を示す図面
電気設計図 電気設備に関する設計を示す図面
配管設計図 給水、排水、ガスなどの配管設備を示す図面
内装設計図 建物内部の仕上げや装飾に関する図面
外装設計図 建物の外観や外部の仕上げに関する図面
ランドスケープ設計図 建物の周囲の環境や庭園の設計を示す図面
3D設計図 建物や構造物を立体的に表現した図面

 

 

仕様書の種類

 

設計仕様書

設計仕様書は、建築や製造における設計内容を詳細に記述した文書です。一般的には以下の内容が含まれます。

 

  • 目的と範囲
  • 設計基準
  • 設計プロセス
  • 具体的な設計項目
  • 要求性能

 

例えば、鉄筋コンクリート構造物の設計仕様書には、使用する材質や耐久性に関する詳細な基準が含まれます。設計プロセスを明確にすることで、設計者と施工者のコミュニケーションが円滑になります。

 

施工仕様書

施工仕様書は、施工に関する細部を詳細に説明した文書です。具体的には、材質、品質、施工方法、検査方法などが記載されています以下の点がカバーされています。

 

  • 使用材料の仕様
  • 施工方法の詳細
  • 品質管理の方法
  • 安全対策
  • 工期とスケジュール

 

例えば、ビルの外装工事における施工仕様書には、使用されるタイルやモルタルの詳細な仕様が含まれます。品質管理の方法が明確にされているため、施工中の品質トラブルを未然に防ぐことができます。

検査仕様書

検査仕様書は、完成した製品や建物が設計や施工仕様書に適合しているかどうかを確認するための基準を詳細に記述した文書です。以下の内容が含まれます。

 

  • 検査項目
  • 検査基準
  • 検査方法
  • 検査記録の方法
  • 不適合項目の取り扱い

 

例えば、建物の耐震性を検査する場合、具体的な検査基準や方法が示されているため、担当者が一貫した方法で検査を実施できます。また、不適合項目に対する対処方法も明確にされており、迅速な問題解決が可能です。

調達仕様書

調達仕様書は、取引先から部材やサービスを調達する際に使用される文書です。下記の情報が含まれています。

 

  • 調達品目の詳細
  • 品質要求
  • 納期及び供給条件
  • 価格と支払い条件
  • 供給元の資格要件

 

例えば、工業部品の調達仕様書には、部品の寸法や材質、検査方法などの詳細が記載されています。これにより、供給元との間で品質や納期に関するトラブルを未然に防ぐことができます。

 

一般仕様書

一般仕様書は、詳細が必要でない軽微な設計や施工に関する情報を記載するために使用される文書です。以下の内容が含まれます。

 

  • 概要
  • 簡単な設計情報
  • 基準および規格
  • 施工手順の概要
  • 基本的な品質要求

 

例えば、小規模なリフォーム工事における一般仕様書には、使用する材料の基本的な性能や施工手順の概要が記載されています。詳細な仕様が不要な場合でも、基本的な要件を明示することで、施工品質を維持します。

装置仕様書

装置仕様書は、機械や設備など特定の装置に関する詳細な情報を提供します。以下の内容が含まれます。

 

  • 装置の概要
  • 設計要求
  • パフォーマンス基準
  • 安全要求
  • メンテナンス情報

 

例えば、発電機の装置仕様書には、設計の概要や性能基準、安全要件が詳細に記載されています。これにより、運用者は装置の特性を理解し、適切なメンテナンスを行うことができます。

 

 

設計図書の見方

設計図の見方

設計図の見方は下記です。

 

  • 全体像を把握する
  • 各部分の詳細を確認する
  • 記号や縮尺を正確に理解する
  • 疑問点があれば設計者に確認する

 

全体像を把握するためには、最初に概要を読むことが重要です。次に、意匠図や構造図、設備図を詳細に確認し、必要に応じて設計者に問い合わせることで、正確な理解を得ることができます。

 

設計図の基本構成

設計図の基本的な構成は下記です。

 

  • 表紙
  • 概要
  • 意匠図
  • 構造図
  • 設備図

 

表紙

表紙には、プロジェクトの名称、設計者の情報、設計日などが記載されます。これがあることで、どのプロジェクトの設計図なのか一目でわかるようになっています。

 

概要

概要は、設計図全体の簡単な説明や範囲、特記事項をを示します。これにより設計の意図を理解できます。

 

意匠図

意匠図は、プロジェクトの外観デザインやレイアウトを示します。例えば、建物の外観、内部レイアウト、家具の配置などが含まれます。具体的には、建物のファサードデザインや内装デザインがこれに該当します。

 

構造図

構造図は、建築物やエンジニアリングプロジェクトの構造的な要素を詳しく示します。例として、柱、梁、基礎の配置や詳細があります。これにより、建物の強度や耐震性が一目でわかります。

 

設備図

設備図は、プロジェクトに必要な設備やシステムの配置を詳細に示します。これには、電気、配管、空調などが含まれます。たとえば、電気設備の配置や配管システムのルートがここに記載されます。

 

記号と縮尺

設計図には多くの記号や縮尺が使用されます。これらを正確に理解することが重要です。

 

記号の解釈

設計図には特定の記号が使用されます。例えば、以下のような記号があります。

 

  • 電気配線の記号
  • 配管の記号
  • 設備の記号

 

たとえば、電気の照明器具や非常灯・誘導灯は下記の様な記号で記されます。

 

 

意匠図、構造図、設備図、それぞれで複数の記号がでてきますので、自分の専門領域部分の記号を理解することが大事です。

 

 

縮尺の理解

設計図は通常、縮尺を使用して描かれます。例えば、1:50や1:100の縮尺が一般的に使用されます。縮尺を理解することで、実際のサイズを正確に把握することができます。もし1:100の縮尺であれば、1cmが実際の1mに相当します。

 

 

 

設計図書の保存期間

計図書には法定の保存期間が定められています。具体的には、建築基準法や各種法令に基づいた保存期間があります。以下に主要な設計図書の法定保存期間を示します。

 

  • 建築確認申請書の添付図書:10年(建築基準法第6条)
  • 消防用設備等の設計図書:7年(消防法施行規則第33条の3)
  • 建築工事の施工図書:5年(建設業法施行令第18条)


保存期間の例外

法定の保存期間に関して、一部の設計図書には例外が存在します。以下はその例です。

 

  • 文化財や重要文化遺産に関する設計図書: 永久保存が求められる場合もあります。
  • 特定施設の再開発計画の設計図書: 特定の期間を超えて保存が必要なことがあります。

 

保存期間の延長

設計図書の重要性や利用価値に応じて、法定の保存期間を超えて保存することも考慮されるべきです。特に、改修や再建築時に参照が必要となる場合があります。以下の要因で延長を検討することが一般的です

 

  • 建物の歴史的価値: 歴史的価値のある建物の場合、将来的な参照のために保存期間を延長することが推奨されます。
  • 将来的な改修計画: 設計図書が将来の改修計画に不可欠な場合、保存期間を延長することが求められます。
  • 法令の変更: 新たな法令に対応するために、過去の設計図書を参照する必要がある場合、保存期間を延長することを検討します。

 

保存期間の遵守

法定保存期間の遵守は非常に重要です。以下の点に注意して遵守することが推奨されます。

 

  • 保存期間が過ぎた設計図書は、廃棄手続きに従い適切に処分を行う必要があります。
  • 保存期間の確認を定期的に行い、必要に応じて再評価することが推奨されます。
  • 保存に関するガイドラインや内部ルールを明確にして、関係者全員が理解し遵守することが重要です。
  • デジタル保存の導入: 設計図書のデジタル化を進めることで、保存期間を管理しやすくすることができます。

 

設計図書の保存期間を適切に管理することは、法的要求を満たすだけでなく、建物の安全性や維持管理においても重要です。不適切な保存や早すぎる廃棄は、後々のトラブルや追加コストの原因となることがありますので、慎重に管理されるべきです。

 

設計図書に関する情報まとめ

設計図書は建築や土木の現場において非常に重要な役割を果たします。

 

設計図や仕様書は、建物や構造物の正確な建築をするのに必要な書類です。設計図は現場施工の際の基盤となりますし、施工図と竣工図との違いも理解しておく必要があります。

 

正しい知識を身に着け、よりキャリアアップしていきましょう!