建設業許可とは?全29種類の一覧とその解説!
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建設業許可とは、軽微な工事を除く建設業を営む際に必要となる許可のことです。
この許可を取得するためには、一定の要件を満たす必要があり、工事の種類によって必要な許可や申請方法も異なります。
この記事では、建設業許可とは?やその種類を解説します。
建設業許可とは
建設業許可は、建設業を営む事業者が必要とされる許可です。
ただし、軽微な建設工事に限定される場合、建設業許可なしでも工事が可能です。
この許可は、業界の規制と安全を保つための重要な要素であり、事業者はこれに厳密に従う必要があります。
建設業許可の区分
建設業の許可には、「一般建設業」と「特定建設業」の2つの区分があります。
下請け契約の有無や工事の規模に応じて、特定建設業の許可が必要になる場合があります。
たとえば、直接受注した工事の金額が4,500万円以上(建築工事の場合は7,000万円以上)で、
その一部を下請け業者に委託する場合、特定建設業の許可が必要になります。
建設業法の改正により、2023年1月1日からは、建築工事業の場合の下請け契約金額の要件が7,000万円に、
その他の場合は4,500万円に引き上げられました。
一方、直接請負う工事の金額には制限がありません。
つまり、発注者から直接受注した工事の大半を自社で施工し、
下請け業者との契約金額が4,500万円未満であれば、一般建設業の許可で対応できます。
これらの規定は、建設業者に対してのものであり、下請負人として工事を請け負う場合には適用されません。
建設業許可の取得には、以下の4つの要件が必要です。
- ①建設業務の管理責任者を任命する
- ②専任の技術者を配置できる
- ③安定した財産を所有している
- ④欠格事由に該当しないこと
建設業許可の種類
建設業許可は29種類
建設工事は、建設業法に基づき、2種類の一式工事と27種類の専門工事に分類され、
それぞれの工事の種類に応じた建設業の業種ごとに許可が必要とされています。
「土木一式工事」および「建築一式工事」は、他の27の「専門工事」と違って
総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事のことで
複数の「専門工事」を組み合わせた工事を指します。
「一式工事」と「専門工事」はまったく別の許可業種であり
「一式工事」の許可を受けた業者が、他の「専門工事」を単独で請け負う場合、
その専門工事業の許可を受けねばなりません。
建設工事の種類 | 業種 | 略号 |
---|---|---|
1. 土木一式工事 | 土木工事業 | 土 |
2. 建築一式工事 | 建築工事業 | 建 |
3. 大工工事 | 大工工事業 | 大 |
4. 左官工事 | 左官工事業 | 左 |
5. とび・土工・コンクリート工事 | とび・土工・工事業 | と |
6. 石工事 | 石工事業 | 石 |
7. 屋根工事 | 屋根工事業 | 屋 |
8. 電気工事 | 電気工事業 | 電 |
9. 管工事 | 管工事業 | 管 |
10. タイル・れんが・ブロック工事 | タイル・れんが・ブロック工事業 | タ |
11. 鋼構造物工事 | 鋼構造物工事業 | 鋼 |
12. 鉄筋工事 | 鉄筋工事業 | 筋 |
13. ほ装工事 | ほ装工事業 | ほ |
14. しゅんせつ工事 | しゅんせつ工事業 | しゅ |
15. 板金工事 | 板金工事業 | 板 |
16. ガラス工事 | ガラス工事業 | ガ |
17. 塗装工事 | 塗装工事業 | 塗 |
18. 防水工事 | 防水工事業 | 防 |
19. 内装仕上工事 | 内装仕上工事業 | 内 |
20. 機械器具設置工事 | 機械器具設置工事業 | 機 |
21. 熱絶縁工事 | 熱絶縁工事業 | 絶 |
22. 電気通信工事 | 電気通信工事業 | 通 |
23. 造園工事 | 造園工事業 | 園 |
24. さく井工事 | さく井工事業 | 井 |
25. 建具工事 | 建具工事業 | 具 |
26. 水道施設工事 | 水道施設工事業 | 水 |
27. 消防施設工事 | 消防施設工事業 | 消 |
28. 清掃施設工事 | 清掃施設工事業 | 清 |
29. 解体工事 | 解体工事業 | 解 |
土木一式工事
土木工作物を建設する工事(補修、改造、解体工事も含む)。
「プレストレストコンクリート工事」の一環として、
橋梁などの土木工作物を総合的に建設する工事は、土木一式工事に分類されます。
また、家屋やその他の施設の敷地外で行う、
公道や下水道の配管工事や下水処理場の敷地造成工事も、土木一式工事に該当します。
農業用水道や灌漑用排水施設などの建設工事も土木一式工事です。
なお、複数の専門工事を有機的に組み合わせて、
独立した使用目的を持つ土木工作物や建築物を作る場合は一式工事とされます。
また、複数の専門工事が組み合わされていなくても、
工事の規模や複雑性から総合的な企画、指導、調整を必要とし、
個別の専門工事として施行することが困難なものも一式工事に該当します。
建築一式工事
包括的な企画立案、専門的な指導、そして細やかな調整を通じて実現される工事
大工工事業
木材を加工または取り付けることで構造物を建設し、もしくは構造物に木製設備を設置する工事を行います。
この工事には、大工工事、型枠工事、そして造作工事が含まれます。
左官工事業
工作物に対して壁土やモルタル、漆くいやプラスター、さらには繊維などを用いてこて塗りや吹き付け、あるいは貼り付ける工事を指し
具体的には、左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事が該当します。
防水モルタルを使用する防水工事については、左官工事業の許可、または防水工事業の許可のいずれかがあれば施工が可能です。
また、ガラス張り工事や乾式壁工事は、左官工事を行うための準備作業として必然的に含まれるものとされています。
建築物に対してモルタルなどを吹き付ける作業は、左官工事の一部として扱われます。
とび・土工工事業
- 足場の組み立てや機械器具、建設資材などの重い物の運搬・配置、鉄骨の組み立て、工作物の解体などを行う工事
(とび、ひき、足場の仮設、重量物の揚重・運搬・配置、鉄骨の組立て、コンクリートブロックの据付け、工作物の解体)
- 杭打ち、杭抜き、場所打杭を行う工事
(杭、杭打ち、杭抜き、場所打杭)
- 土砂の掘削、盛土、締固めなどを行う工事
(土、掘削、根切り、発破、盛土)
- コンクリートを用いて工作物を築造する工事
(コンクリート、コンクリート打設、コンクリート圧送、プレストレストコンクリート工事)
- 基礎的または準備的な工事
(地すべり防止、地盤改良、ボーリンググラウト、土留め、仮締切り、吹付け、道路付属物の設置、捨石、外構、はつり工事)
※現場で既に加工された鉄骨を組み立てることのみを請け負う場合、これは鉄筋コンクリート工事に該当します。
※トンネル防水工事などの土木系防水工事は、とび・土木・コンクリート工事に分類されます。
※舗装工事に併せて行うガードレールの設置等も含まれます。
※吹付け工事とは、法面処理などのためにモルタルまたは種子を吹き付ける工事を含みます。
石工事業
「石工事」とは、石材(これにはコンクリートブロックや擬石も含まれます)を加工したり積み上げたりして、
建築物を作ったり、石材を取り付けたりする作業のことを指します。
具体的には、石を積み上げたりコンクリートブロックを積み上げたりする工事や、
建物の内外装に擬石を取り付けたり、法面処理や擁壁にコンクリートブロックを使ったりする工事などがこれに該当します。
屋根工事業
瓦やスレート、そして金属薄板などを用いて行われる屋根工事は、建築物における重要な一環です。
この工事は、建物の外観や耐久性、そして住環境に大きな影響を与えます。
屋根の材料や施工方法はさまざまであり、それぞれの特性や適用範囲が異なります。
電気工事業
「発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事」は、電気に関する施工の要件を包括しています。
これには、発電設備、送配電線、引込線、変電設備、構内電気設備(非常用電気設備を含む)、
照明設備、電車線、交通信号設備、ネオン装置工事などが含まれます。
菅工事業
建築における設備工事は、冷暖房、空調、水道、排水など、快適なインフラの確立に最も重要です。
これには、冷暖房設備、冷凍設備、空気調和設備、給排水設備、厨房設備、衛生設備、浄化槽、
トイレ設備、ガス配管、ダクト工事、パイプリニューアルなどが含まれます。
特に、建物内部における配管工事や下水道の配管工事は、上下水道施設の建設に欠かせないものです。
また、浄化槽施設の構築も、尿素処理などの専門的な管工事に含まれます。
これらの設備工事は、快適な環境を確保するだけでなく、建築物の安全性や機能性にも深く関わっています。
専門家の技術と経験に基づいて行われるこれらの工事は、建物の長期的な維持管理にも重要な役割を果たします。
タイル、れんが、ブロック工事業
れんがやコンクリートブロックなどを使用して建造物を建設したり、
建造物にれんがやコンクリートブロック、タイルなどを取り付けたり、取り付けたりする工事を行います。
具体的には、コンクリートブロックの積みやレンガの張り付け、タイルの貼り付け、炉の建設、
スレートの貼り付けなど、さまざまな工事が含まれます。また、ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)を使用した工事も行います。
鋼構造物工事業
形鋼や鋼板などの鋼材を利用し、建築物や構造物を構築する工事を、鉄骨工事といいます。
これには、鉄骨の加工から組み立てまでの一連の作業が含まれます。
鉄骨工事は、橋梁や鉄塔、貯蔵タンクの設置、屋外広告の設置、閘門や水門の取り付けなど、幅広い領域にわたります。
専門的な知識と技術が必要不可欠で、安全性と耐久性を確保するために慎重な計画と実行が求められます。
鉄筋工事業
鉄鋼の加工や接合、組み立てなどの作業を含む工事(例えば、鉄筋の加工や組立、圧接作業など)
舗装工事業
道路やその他の地面を、アスファルトやコンクリート、砂、砂利、砕石などで舗装する工事を指します。
この工事には、アスファルトやコンクリートでの舗装や、ブロックを使った舗装、道路の基盤を作る工事が含まれます。
また、よく一緒に行われるのが、ガードレールの設置工事です。これは、飛び石や土工、コンクリート工事に分類されます。
浚渫(しゅんせつ)工事業
河川や港湾、運河などの水底を浚(さら)って、土砂や泥を取り除く土木工事のことを指します。
船が安全に運航できるように航路や港湾施設の整備を行う重要な作業です。
浚渫作業は、水深の維持や航行安全の確保、漁業や観光などへの影響を最小限に抑えるために行われます。
板金工事業
板金工事は、薄い金属板を加工して建築物や機械の部品を製作する作業です。
一般的には、鋼鉄やアルミニウムなどの金属板を切断し、曲げ、溶接、組み立てて、複雑な形状や機能を持つ部品や構造物を製作します。
建築物では、外壁や屋根のカバーとして金属板を使用することがあります。
また、車両や機械の部品製作や修理にも板金工事が利用されます。
この作業は、高度な技術と精密な加工が必要であり、建築や自動車産業など様々な分野で重要な役割を果たしています。
ガラス工事業
ガラス工事は、建築やインテリアデザインにおいて、ガラスを使用して行われる様々な工程や施工を指します。
例えば、建物の外観にガラスを使った外装や窓、扉、壁面、手すりなどの設置がガラス工事の一環として行われます。
また、インテリアでは、ガラスのディスプレイケースや仕切り、テーブルトップ、シャワーエンクロージャーなどがガラス工事の対象となります。
ガラス工事は、専門的な技術や知識を必要とし、安全性や耐久性を確保するために注意深く行われます。
また、建築基準や安全規制に準拠する必要があります。
塗装工事業
建物や構造物の表面に塗料やコーティングを施す作業を指します。
主な目的は、外部からの侵食や劣化を防ぐこと、美観を向上させること、または特定の機能を果たすための仕上げを施すことです。
一般的に、塗装工事は建物の外壁や屋根、床、フェンス、手すりなどの表面に行われます。
建物や構造物の素材や用途に応じて、さまざまな種類の塗料やコーティングが使用されます。
防水工事業
建物や構造物の屋根や壁、床などに防水性を与えるための工事です。
主な目的は、雨水や地下水、湿気などの侵入を防ぎ、建物の内部を保護することです。
防水工事は建物の耐久性や快適性を確保し、建物の寿命を延ばす役割を果たします。
一般的な防水工事には、屋根や外壁の防水、バスルームやトイレの防水、地下室や地下室の防水などがあります。
内装仕上工事業
建物の内部の仕上げ工事を指します。
具体的には、壁や天井の塗装や張り、床材の設置、ドアや窓の取り付け、さらには内装部品の取り付けなどが含まれます。
内装仕上工事は、建物の外観だけでなく、居住性や使い勝手、美観を高めるために欠かせない工程です。
機械器具設置工事業
さまざまな機械や器具を設置するための工事を指します。
これには、工場内の生産ラインに機械を設置する作業や、建物にエレベーターやエスカレーターを取り付ける作業、
産業施設における機械設備の取り付けなどが含まれます。
熱絶縁工事業
建物や機器などで熱の移動を防ぐための工事を指します。
具体的には、断熱材や断熱システムを使用して建物の内部から外部への熱の流れを抑制し、
逆に外部から内部への熱の侵入を防ぐことを目的としています。
これにより、建物の快適性を高めるだけでなく、エネルギーの効率的な利用も促進されます。
電気通信工事業
通信インフラを整備するための作業を指します。
主に電気通信ケーブルや光ファイバーケーブルを敷設し、
電話やインターネットなどの通信サービスを提供するための設備を構築することが含まれます。
具体的には、地中や建物内にケーブルを埋設したり、通信用のアンテナを設置したりする作業が含まれます。
電気通信工事は、現代の社会において不可欠なインフラ整備の一環として重要な役割を果たしています。
造園工事業
自然環境や建築物の周りの景観を美しく整えるための工事を指します。
主な目的は、植栽や庭園デザイン、地形調整、水景の設置などを通じて、美しい景観や快適な空間を作り出すことです。
さく井工事業
地中に井戸を掘る工事のことです。
地下水を利用するために、井戸を掘る必要がある場合や、地中から水をくみ上げるためのポンプを設置する場合に行われます。
井戸の掘削や安定した井戸の構築、必要に応じてポンプや配管の設置などがさく井工事に含まれます。
建具工事業
水道施工工事業
主に水道管や関連する設備を設置、修理、保守するための作業を指します。
これには、新しい水道管の敷設、修理や交換、水道ポンプやバルブの取り付け、配管システムのメンテナンスなどが含まれます。
消防施工工事業
消防の安全を確保し、火災や災害に対する対応を強化するための施設や設備を建設・設置する工事を指します。
具体的には、消防設備や装置の設置、消防ホースや消火栓の設置、火災報知器や自動火災報知設備の設置
非常用脱出経路の確保、消防ポンプや消防車の格納施設の建設などが含まれます。
これらの施設や設備は、建物や施設が火災や災害に見舞われた際に、
迅速かつ効果的な消火・避難活動を支援し、被害の最小化を図る役割を果たします。
清掃施工工事業
建物や施設、またはその周辺地域の清掃を行う作業を指します。
具体的には、ゴミや不用品の撤去、床や壁面の清掃、窓やドアの掃除、外部エリアの掃除、
そして必要に応じて環境衛生の維持や殺菌消毒なども含まれます。
建設現場や公共施設、商業施設、住宅などさまざまな場所で行われる清掃作業は、
衛生的な環境を維持し、快適な生活や労働環境を提供するために不可欠です。
解体工事業
建物や構造物を解体・撤去するための作業を指します。
古くなった建物の撤去や改築、再利用するための部分的な解体など、さまざまな目的で行われます。
解体工事には、建物や構造物の安全な解体計画の策定、周囲への影響の最小化、廃棄物の適切な処理などが含まれます。
また、解体された建材や資材のリサイクルや再利用も行われることがあります。
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水野源太
-
株式会社レバキャリ マーケティング本部部長 1級電気工事施工管理技士
静岡県出身。新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向。研修講師としてTfas研修・AutoCAD研修・専門知識を付与する研修・コミュニケーション研修等を担当し、1000人以上に対する研修を実施。副業では月間10万人が見る教育系テックメディアの立上げ、SEOの実行支援、ランディングページの制作を経験。2024年4月に株式会社レバキャリにジョインし、「建設業で長く働く人を一人でも増やす」為に研修やフォロー、マーケティング業務に従事。