プレキャストコンクリートとは?防音性、メリデメ、現場打ちとの違いなど
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プレキャストコンクリートとは?現場打ちコンクリートの違いについても解説
プレキャストコンクリートとは、結論「工場で製作したコンクリートのこと」です。
通常の現場打ちコンクリートでは、生コンクリートと呼ばれる状態で現場に入ってきます。現場で鉄筋を組み、型枠を組んだ後に生コンクリートを打設します。打設が完了したら養生をして、コンクリートが固まりきったら開放するという流れです。
対して、プレキャストコンクリートは、工場でコンクリートを製作します。現場ではなく、工場でコンクリートを作り、現場へと搬入し、据え付けます。
現場打ちコンクリートとプレキャストコンクリートの違いは「工場で製作するか?現場で打つか?」の違いです。
プレキャストコンクリートを用いた施工はPC工法と呼ばれ、現場打ちのコンクリートの場合はRC工法と呼ばれますので覚えておきましょう。
現場で働く施工管理は、そのコンクリートがプレキャストコンクリートなのか?現場打ちのコンクリートなのかをすぐに見分けることができます。
パッと見で、色にバラつきがなく、綺麗なものはプレキャストコンクリートです。
対して、色にバラつきがあり、少しデコボコがあるものは現場打ちのコンクリートです。どうしても現場打ちだと工場の様に綺麗に施工しきれない部分があるからです。ちなみに、コンクリートのデコボコのことを「不陸」と呼んだりします。
参考:不陸整正とは?路盤工との違い、原因、許容範囲、作業手順など
プレキャストコンクリートのメリット
メリット①施工が楽(コストが安い)
現場打ちコンクリートでは鉄筋→型枠→コン打ち→養生といった工程が必要になります。対して、プレキャストコンクリートの場合は現場にもってくるだけですので、必要な手間は「搬入と据付」のみです。
通常のコンクリートと比較すると、施工が完了するのに必要な工数が圧倒的に少ないのが、プレキャストコンクリートのメリットになります。
施工を完了するのに必要な工数が少ないということは、施工にかかる費用が少ないということです。
作業全体でかかる金額としては安くなる傾向にあります。
メリット②品質にバラつきがない
プレキャストコンクリートは工場で作っている分、品質にバラつきがありません。
現場打ちコンクリートの場合は下記の様な変数で品質にバラつきが発生することがあります。
- 雨天により水分量が増加する
- 型枠がコンクリートの重みに耐えられず爆破
- コンクリート業者のミス
- 不陸が発生してしまう
品質にバラつきが発生しないようにするのが施工管理の仕事です。ただ、どうしても現場では、全て100点のコンクリートを作れる訳ではない、というのが実情になります。
メリット③強度が高い
「品質にバラつきがない」というのと部分的に重なりますが、プレキャストコンクリートの方が現場打ちコンクリートよりも強度が高いです。
筆者の経験では、現場打ちのコンクリートを基準よりも高い強度で打設した際に「プレキャストコンクリートみたいだねえ」と言われたことがあるくらいです。
プレキャストコンクリートのデメリット
デメリット①接合部が弱くなる
プレキャストコンクリートのデメリットは「接合部が弱くなること」です。
工場で製作したコンクリートを現場に搬入してきて、他のプレキャストコンクリートと接続する場合、完成品同士を接続することになるので現場打ちよりも弱くなります。
イメージの話になりますが、L型の擁壁をイメージしてください。
プレキャストコンクリートで「I」と「_」の部分を接続する部分が弱くなります。対して、現場打ちの場合はLを一気に打設し、同じものとして施工することができます。
コンクリート自体の強度はプレキャストコンクリートの方が強いものの、接合部は弱くなります。
デメリット②設計変更に対応できない
デメリットの2つ目は設計変更に対応できない点です。
現場打ちの場合は型枠を変えれば、完成するコンクリートを変えることができます。急な設計変更なども柔軟に対応することができます。対して、プレキャストコンクリートの場合は工場で作るので、そこまで柔軟に対応できません。
製作期間も考えると、設計変更のタイミングが早くなってしまうというのがプレキャストコンクリートのデメリットです。
プレキャストコンクリートの防音性
プレキャストコンクリートの防音性は高いです。
ちなみに現場打ちのコンクリートも防音性は高いので、PC工法なのかRC工法なのかによって、建物利用者の快適性に関しては大きく変わりません。
ただ、ボードで仕切られた部屋と比較すると、圧倒的に防音性は高いです。
プレキャストコンクリートに関する情報のまとめ
- プレキャストコンクリートとは:工場で製作したコンクリートのこと
- 現場打ちコンクリートとの違い:工場で作るか?現場で打つか?
- メリット:施工が楽(コストが安い)、品質にバラつきがない、強度が高い
- デメリット:接合部が弱くなる、設計変更に対応できない
- 防音性:ボードと比較すると圧倒的に高い(PCとRCによる大きな違いはない)
以上がプレキャストコンクリートに関する情報のまとめです。
施工管理として働く以上、コンクリート工事からは避けられません。建築でも土木でも設備でも、コンクリートは必ず出会うことになるので、覚えておきましょう。
正しい知識を身に着け、施工管理としてキャリアアップしていきましょう!
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水野源太
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株式会社レバキャリ 1級電気工事施工管理技士
静岡県出身。新卒で大手総合設備会社に施工管理として就職し、大型現場の再開発工事を経験。その後、建設人材派遣会社へと移り、複数現場で施工管理としての経験を積む。1級電気工事施工管理技士に合格したのを機に、同社の本社へと出向。研修講師としてTfas研修・AutoCAD研修・専門知識を付与する研修・コミュニケーション研修等を担当し、1000人以上に対する研修を実施。副業では月間10万人が見る教育系テックメディアの立上げ、SEOの実行支援、ランディングページの制作を経験。2024年4月に株式会社レバキャリにジョインし、「建設業で長く働く人を一人でも増やす」為に研修やフォロー、マーケティング業務に従事。