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舗装工事とは?種類、特徴、施工の手順、注意点について簡単に解説する

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舗装工事とは?

舗装工事とは、簡単に言うと「道路を作る工事のこと」です。

 

人や車が何気なく通っている道路があるかと思います。アスファルトでできている道路もあれば、コンクリートでできている道路もあり、場所によっては合成樹脂製の道路もあったりします。

 

それらアスファルトやコンクリートなどを地面に敷き詰める工事のことを「舗装工事(ほそうこうじ)」と呼びます。

 

普段生活していて聞きなじみのない言葉かもしれませんが、現場では当たり前のように使われますので覚えておきましょう。ボリュームとして多いのがアスファルトの舗装工事であり、より必要強度の高い部分に関してはコンクリート舗装が用いられたりします。

 

 

舗装工事の種類

舗装工事の種類①アスファルト舗装

アスファルト合材を使用した舗装工事が最も一般的です。道路を見ていて黒色の道路があるかと思いますが、それがアスファルト舗装です。

 

アスファルトには下記の様な特徴があります。

 

  • 道路が使用できるようになるまでの時間が短い
  • 初期費用が安い
  • 騒音が小さい
  • ひび割れやゆがみが発生しやすい

 

「道路開放までの時間が短い」というのがアスファルト舗装最大のメリットです。

 

車を運転していて、道路工事をやっているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

 

道路工事は渋滞の原因になったりする訳ですので、なるべく工事の時間は短くしたいという考え方をします。道路は経済を支えるものでもあるので、施工してからすぐに使えるようになる、、、というのは非常に重要な特徴です。

 

アスファルトは施工してから、温度が50°以下になれば解放することができます。早い場合はその日のうちに道路を開放して使えることもあります。ここは周囲の温度(夏か?冬か?)によっても変わってくる部分ではありますが、大きなメリットです。

 

また、デメリットとしては「ひび割れやゆがみが発生しやすい」というものもありますが、それを補ってあまりあるくらいのメリットがあるのでアスファルト舗装はよく使われます。加えて、アスファルト舗装は完成したら放置、ではなく補修工事をやる前提で施工するで、特に大きな問題にはなりません。

 

 

舗装工事の種類②コンクリート舗装

コンクリートを使用して舗装をする場合もあります。

 

イメージしやすい部分でいくと、坂道なんかでドーナツ型の穴があいた道路を見たことある方もいるのではないでしょうか?これもコンクリート舗装の一種で「真空コンクリート」と呼ばれます。

 

表面に出てくる部分が、アスファルトではなく、コンクリートを使用します。

 

コンクリート舗装はアスファルトと比較すると強度が高いです。アスファルトのようにひび割れやゆがみが発生しにくいという特徴があります。よって、飛行機の停留所なんかにも使われることがあります。

 

 

舗装工事の種類③合成樹脂舗装

合成樹脂を使って、道路を舗装するパターンもあります。

 

イメージしやすい部分でいくと、ディズニーランドなんかが挙げられます。ディズニーランドの地面はアスファルトともコンクリートとも違う部分があると思います。(赤色のものです)

 

また、高級マンションの入口なんかでも見かけることがあります。

 

合成樹脂は衝撃を吸収してくれるので「歩いていて疲れない」という特徴があります。アスファルトやコンクリート以外にも、こういった舗装工事があることも覚えておきましょう。

 

 

 

舗装工事の手順

事前知識①道路の構成

舗装工事の施工手順を説明する前に、道路の構成を知っておいて頂けたらと思います。

 

普段生活していると、表面に出てくる部分しか見えないですよね。ただ、その内部構造としては、下記の様な構成になっています。

 

  • 表層:表面に出てくる部分(アスファルトやコンクリートなど)
  • タックコート(PK-4):表層と基層を接続する接着剤の様な働きをする
  • 基層:表層の荷重を下に分散する役割を果たす
  • プライムコート(PK-3):基層と路盤のなじみを良くするためのもの
  • 上層路盤:荷重を下へと分散する役割を果たす
  • 下層路盤:荷重を下へと分散する役割を果たす
  • 路床:道路上の荷重を支える

 

それぞれを一つ一つ施工していくのが、舗装工事です。

 

 

舗装工事の手順①既存道路の撤去

今回は補修工事を例に挙げますので、まずは既存の道路を撤去するのがスタートです。

 

表層、基層、路盤、路床それぞれを撤去し、ダンプで積み込み搬出します。搬出の際はあらかじめ施工範囲の計算をし「どの程度のボリュームを搬出するのか?」によって、手配するダンプを決定していきます。

 

 

舗装工事の手順②路床の施工

一通りの搬出が終わったら路床を施工します。

 

路床には砂が用いられますので、現場へ砂を搬入し、敷きならして転圧をしていきます。転圧を簡単に説明すると「上から圧力をかけること」です。ここでちゃんと転圧をしておかないと、砂と砂の間に空気が入ってしまい、車が通ったときにそこが凹んでしまいます。

 

路床の施工が完了したら、施工管理の方が施工写真を撮って、次の工程へと進んでいきます。

 

 

舗装工事の手順③下層路盤の施工

下層路盤にはRC-40と呼ばれる素材を使います。

 

0~40mmに砕いた砕石のことをRC-40(リサイクルクラッシャラン)と言います。現場へRC-40を搬入し、敷き均し、転圧を行い、施工写真を撮ります。

 

現場では「RC-40」の様な形で、型番を使って会話することが多いので覚えておきましょう。

 

 

舗装工事の手順④上層路盤の施工

下層路盤の施工が終わったら次は上層路盤です。

 

上層路盤では「RM-40」と呼ばれる素材を使います。RM-40は粒度調節砕石と呼ばれるもので、粒の大きさを調節したものになります。施工の手順は一緒です。現場へと搬入し、敷き均し、転圧を行い、施工写真を撮ります。

 

 

舗装工事の手順⑤プライムコートの散布

上層路盤の施工が完了し、基層の施工をする前にプライムコートを散布します。

 

先出しすると、基層では砕石ではなくアスファルトやコンクリートを使いますので、違った素材同士を馴染ませる目的でプライムコートを散布します。

 

プライムコートはPK-3と呼ばれる素材を使います。実際に厚みを生むものではありませんが、施工写真を撮影する際には、散布している状況を写真に収めることもあります。

 

 

舗装工事の手順⑥基層の施工

PK-3の散布が完了したら、基層の施工に入っていきます。アスファルト舗装であればアスファルト、コンクリート舗装であればコンクリートを使用します。

 

アスファルトの場合は温度管理が大事です。

 

アスファルトはアツアツの状態で工場から現場へと搬入されます。アスファルトが冷えていく過程でどんどん固まっていく、というロジックです。ですので、スピーディーに施工を進めていく必要があります。

 

 

舗装工事の手順⑦タックコートの散布

基層と表層の間にタックコートを散布します。

 

タックコートは、いわば接着剤です。道路を車やトラックが通過していく際に、基層と表層が正しく接合していないと、ズレが発生してしまう可能性があります。そこでタックコート(接着剤)を散布することで、ズレを防ぎます。PK-3と呼ばれる素材を使います。

 

現場感でいくと、タックコートを散布場所を踏むと、靴がべちゃべちゃするので不快に感じる人もいるかもしれません。

 

 

舗装工事の手順⑧表層の施工

タックコートが散布できたら、表層を施工していきます。

 

表層も基層と同様にアスファルトやコンクリート等を施工していきます。温度管理をしながら、厚みの管理をしながら施工をし、完成したら舗装工事は完了です。

 

必要があれば「駐車禁止」といった文字を記入したりします。

 

 

舗装工事を施工する際の注意点

舗装工事の注意点①厚みの管理

舗装工事を進めていく上で、厚みの管理は必須です。

 

表層、基層、路盤、路床をそれぞれどの程度の厚みにするのか?は現場によって異なります。この部分は設計者が設計をします。施工管理の方は設計通りに厚みを管理しながら施工していきます。

 

舗装工事の注意点②温度の管理

一部繰り返しにはなりますが、アスファルトはアツアツの状態で現場へ入ってきて、冷めるのと同時に固まっていきます。施工のスピードが遅いと敷きならす前に固まってしまったりします。

 

冷えるスピードに関しては、周囲の温度によって変わってきますので注意が必要です。

 

定期的に温度を計測しながら施工を進めておきましょう。

 

舗装工事の注意点③施工写真の撮り忘れがないようにする

舗装工事が進むにつれて、前に施工した部分は見えなくなってしまいます。

 

例えば、基層まで施工したとしたら、路床の写真をとることはできません。やり直しが効かない部分がありますので、施工写真の撮り忘れがないように注意しましょう。

 

 

 

豆知識:交通量調査の人がいる意味

街を歩いていると、交通量調査の人がいると思います。

 

カウンターをもってカチャカチャやっている方々です。彼らが交通量を調査するのは、施工すべき路盤や路床の厚さを決めるためのものです。

 

例えば、1日に車が10台しか通らない道路と、1日にトラックが1万台通る道路では、必要な道路の厚みが変わってきます。道路にかかる荷重が重ければ厚みのある道路を施工する必要がありますし、道路にかかる荷重が軽ければそこまでの厚みは必要ありません。必要以上に厚くするのは経済的に合理的な施工とは言えません。

 

どの種類の車が1日に何台通るのか?を調べることで、荷重を計測することができ、道路の厚みをはじき出すことができます。

 

身の回りに起こっていることには意味がありますので、そういったところを観察すると施工管理としてまた一つ上達するかもしれません。

 

 

 

舗装工事に関する情報まとめ

  • 舗装工事とは:道路を作る工事のこと
  • 舗装工事の種類:アスファルト舗装、コンクリート舗装、合成樹脂舗装
  • 舗装工事の手順:既存道路の撤去→路床→下層路盤→上層路盤→PK3→基層→PK4→表層
  • 舗装工事の注意点:厚みの管理、温度管理、施工写真

 

以上が舗装工事に関する情報です。

 

土木で道路工事をする人だけではなく、管工事や電気工事をする人に関しても舗装工事に携わることがあります。正しい知識をつけ、現場に活かし、キャリアアップをしていきましょう!

 

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